調子

人間、失敗するときは大概調子に乗っている。頭の中で成功の兆しが現れたときに、ふと喜びや安心が生まれ、それまでの緊張感がほぐされる。と同時に、気が緩むことが多い。気が緩んだことが失敗の直接的原因になることはなくても、なぜか、調子に乗ったときにはいつも何かの失敗、不調を生ずる。これはもはや因縁的な何かで、人間が調子に乗ることが人間の不調に繋がってしまうのだろう。

 

とはいえ調子に乗ることが完全に悪いわけではない。調子に乗ると、ときに、根拠のない自信を持てる。これはいささか諸刃の剣だが、そんなハイな状態の時だからこそできることもある。特に、人前でパフォーマンスするときや何か全く新しいことにチャレンジしようというときなどは必要である。と思う。

 

では、調子に乗った時、上記のように成功する場合と因縁的に失敗する場合とでは、何がその行く末を左右するのだろうか。これはもちろん、「準備」である。いかに調子に乗らないで「準備」するか。これによって決定づけられるが、どのくらい準備すれば因縁的な失敗をせずに済むのかは、正直わからない。

 

調子に乗って失敗する最たる例は、片想いの恋愛である。はっきり言って、調子に乗った瞬間、コイツはうまくいかなくなる。なぜだろう。この現象の原因究明は早急な課題ではあるが、未だに幾つかの例を言葉にまとめることすら難しい。ひとつ挙げるとすれば、恋に準備がないからだ。いつもぶっつけ本番である。

 

恋愛とは、実に恐ろしい。