夜の灯火

ため息が漏れる。夜は半ばを過ぎ、そろそろ眠りにつかなければなるまい。息は静かに、空気はしんとしていて、我が身はこのまま消えていきそうだ。

 

自分がこの世に生を受けたことについて、その理由や意義を考えようとすることはきっと無意味だろう。しかし、無意味だからと言って考えない理由にはならない。だから、こんな時には、なんで生きているんだろうかと心寂しくしながら、行きつ戻りつ迷い道に考える。

 

最も"生きたい"と、その動機付けをしてくれる存在はやはり、愛に向かう心の衝動である。愛は人間の生存に必要不可欠、その完成を夢見る対象である。そこには無類の温かみがあって、存在だけで全てが許される。

 

そこには、生命の全てが内包される。

 

愛。