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人生について語ることは、僕のような若者にはまだ早すぎるだろうと思う。ともすれば、一生許されないことかもしれない。僕は浅はかな、考えのまとまらない、とてもじゃないが他人に人生について語れるほどの何かを持っているわけではない、、、そんな人間であるような気がするのだ。

誰が許すか許さざるか。これは結局自分であるに違いはないのだが、少なくともこれを読む人間が僕よりずっと切れた脳みそを持っているだろうことは容易に想像が付くし、そのような人たちに恐るべき注釈を付け加えられることを、極度に怖れてしまうのである。

しかし「僕」のいくつかの人生のいくつかの出来事は、きっとその存在を僕自身が認めている。これは、今ここで筆をとる最も大きな動機であることにも違いはない。だから僕はこの0を書いて、安心して筆を進めることにする。